FC2ブログ
 

右手で描いた暇つぶし  語り部田宮My小説を載せていきます。ただ、それだけだと寂しいので、ぼくが日々感じたことや考えたことを徒然なるままに語りますね。 

スポンサーサイト

   ↑  --/--/-- (--)  カテゴリー: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(記事編集) http://nekohituzibanana.blog63.fc2.com/?overture" target="_new

--/--/-- | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ |

法的思考の真骨頂

   ↑  2011/08/06 (土)  カテゴリー: 徒然日記
 どうも田宮です。

 前回の記事で行政における手続の瑕疵について触れましたが、これは本来的には刑事手続における適正手続(デュー・プロセス・オブ・ロウ、憲法31条)から派生したものです。適正手続は、法的思考(リーガルマインド)を見るに当たって好適な素材なので、これを少しだけ深く考察してみたい。

〔問題1〕拷問で自白を得、それを基に確実な有罪証拠を発見した場合、その犯人は有罪にされるべきだろうか?
 
 もしかすると、犯人であることが確実なのだから有罪にしてよいと思うかもしれません。しかし、拷問は当然に違法な手段ですから、それは適正手続に反します。ゆえにこの有罪証拠は排除されなければならず、犯人は無罪となる。なぜそれほどに適正手続を重視するのかと言うと、冤罪を防ぐためです。つまり、「千人の犯罪者を逃すことになっても、一人の冤罪者を生み出してはならない」のです。

 それでも犯人だと分かったなら有罪としなければならないと思う人は、視野を広げて考えてみてください。
 もし、たとえ違法な手続であっても証拠さえ見つかれば有罪にできるとすると、警察や検察はいくらでも被疑者を締め上げることができます。別に自分は犯罪などしないから構わないと思ってはいけません。仮に実際は無罪だったとしても、警察や検察が「奴こそ真犯人なり」と断じて捜査を開始することなどいくらでもあります。どれだけ「自分は無罪だ」と言っても警察や検察はしつこく取調べを繰り返し、ひいては拷問を用いてでも自白を引き出そうとします。昔の日本でもそのようにして殺された人がたくさんいます。
 このような事態を未然に防ぐために、違法な手続によって得られた証拠は排除する! と高らかに宣言する必要があるのです。

 以上のようなものの考え方が法的思考です。
 しかし、ことはそれでは済みません。そこで、次のような問題を考えてみます。

〔問題2〕さきほどの事件で、殺された娘には父親がいた。この父親は、犯人であるにもかかわらず無罪となった者を許すことができず、自ら銃殺した。父親は有罪にされるべきだろうか?

 こっちは父親から適正な手続で自白も得たし、証拠もたっぷりある、よって有罪、これで話が解決されるでしょうか? ぼくはそうは思いません。
 さきほど「冤罪者を生み出さない」ために犯人を無罪にしました。これ自体は長期的に見れば必要であることは述べました。しかしこれはよりよい社会をつくるという視点からは正当だとしても、他方で被害者の視点が圧倒的に欠けています。被害者からすれば、社会にとって必要だから無罪ね^^などと言われても、納得できるはずがありません。
 ここで問われなければならないのは、「冤罪者を生み出さないがために、犯罪者が生み出されてもよいか」ということです。つまり、この父親が殺人者となった原因の一部は裁判所にあるのではないか、という疑問にぶち当たります。ここに至っては、法律家の間でも意見が分かれる気がする。それほどにこれは難儀な代物です。
 ちなみにこの問題は『復讐法廷』(ヘンリー・デンカー)で扱われたものなので、興味があれば読んでみてください。

復讐法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫)復讐法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2009/09/10)
ヘンリー・デンカー

商品詳細を見る


 法は常に現実に直面します。むしろ現実が法に選択を迫ると言ってもよい。これは他分野にはない法の特質ではないでしょうか。そして、これらの問題についていかように考えるべきか、そこに法的思考の真骨頂があると思っています。

スポンサーサイト

(記事編集) http://nekohituzibanana.blog63.fc2.com/blog-entry-365.html

2011/08/06 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ |

Comment

コメントを投稿する 記事: 法的思考の真骨頂

お気軽にコメントをぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメントとして投稿する。(管理人にのみ公開)
 

Trackback

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。