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右手で描いた暇つぶし  語り部田宮My小説を載せていきます。ただ、それだけだと寂しいので、ぼくが日々感じたことや考えたことを徒然なるままに語りますね。 

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小説:トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』

   ↑  2011/08/15 (月)  カテゴリー: 感想等 ※時々ネタバレ注意報
 どうも田宮です。

 カフェベローチェで勉強していると、閉店の間際にBGM『蛍の光』(アレンジ風味)が流れるのですが、これがとても美しくて、それまでの疲れもあって涙腺が緩んでいるのか、たまに涙が零れそうになります。みなさんも機会があればぜひ。「プリモカフェ」がおすすめです。

 さて、今回はなんとか、小説の感想を書けます。

 『競売ナンバー49の叫び』トマス・ピンチョン/佐藤良明訳/新潮社
 大富豪の死――そのかつての恋人で、いまや若妻のエディパは遺産のゆくえを託される。だが、彼女の前に現れるのは暗号めいた文字列に謎のラッパ・マーク、奇怪な筋書きの古典劇。すべては闇の郵便組織の実在と壮大な陰謀を暗示していた……? 天才作家が驚愕のスピードで連れ去る狂熱の探偵小説、詳細なガイドを付して新訳!(新潮社


 hahahaピンチョンって誰だよ? という状態で偶然にも手にとった訳ですが、これは激しく人を選ぶ。大多数の人は、読むのが苦痛で仕方なく感じるような気がします。まあ「あらすじ」にあるとおりのストーリーなんですが、色々な謎がすべて、「結局どういうこと?」で終わる(これを「探偵小説」と呼ぶのは語弊があり過ぎる)。何もかも全部誰かの陰謀じゃね? という感じで。
 だから難解と言うよりは、あまりに掴み所がないと言う方が正解。
 訳者が「『競売ナンバー49の叫び』は、出来事が示唆する意味のつながりによって成り立っているテクストである。」(P233)と説明していたり、本国のアメリカでは膨大な注釈書が書かれていたりと、いかにピンチョンの本が読み難い(文章ではなく物語が)かを示しています。

 ぼく自身も「表現うまいなー」、「そういう言い方もあるんか」という風に読み進めて読了しましたが、はっきり言ってどんな内容だったのか全然分かりませんでした。でも別にぼくは恥じていない。だって絶対みんなだって分からない。(分かる人居たら教えてください><)
 しかも検索してみたら、ピンチョンの中ではこれが最も読みやすいと言うのだから……、他の本は宇宙人にでも書いてもらったんじゃないのか。ピンチョンの本を読んでみようとしている人は、一度立ち読みしてからの方がいいと思います。想像以上にパルプンテですから。

 しかし決して読まなくてよいと言うつもりはありません。ひとつひとつの出来事は非常に印象深い物語になっているからです(全体としては意味不明なんですが)。とりわけ、主人公エディバの夫であるムーチョがLSDを飲んでラリッたときのシーン、
 ――「『ヘッドフォンを被るたびにね』彼は続けた、『そこで得られたものがジワーンと理解できるんだよ。“シー・ラブズ・ユー”って彼らが歌うだろ。そうすると、イェイ、マジにさ、シー・ラブズなわけ。その“シー”って、無数にいていいんだ。世界中の、過去に遡った、あらゆる肌の色の、あらゆる大きさ、年齢、体格、あらゆる長さの余命を持った人。その“シー”がさ、愛してるの、“ユー”をね。この“ユー”も全員だよ。彼女自身を含んだこの世の人ぜんぶ。エディパ、人間の声というのは、とんでもないミラクルだぜ。』彼のうるんだ目が、ビールの色を反射している。」(P179-180)
 ここでムーチョは「部屋いっぱいのピープル」になってしまっているらしいですが、彼との別れにエディパが、
 ――「局でエディパは、ムーチョの全員と別れのキスをした。」(P182)
 この「ムーチョの全員と別れのキスをした」というのは、ぼくにとっては鳥肌が立つほどによくできた表現です。声を通して全員を内包できるようになった人間が、相手からその全員に対して別れのキスをされる、そのような満たされるほどに空っぽになっていく倒錯感が素晴らしい。

 再読の機会があれば(あるか?)、もっとよく読み込んでみたいです。


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(2011/07)
トマス ピンチョン

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