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右手で描いた暇つぶし  語り部田宮My小説を載せていきます。ただ、それだけだと寂しいので、ぼくが日々感じたことや考えたことを徒然なるままに語りますね。 

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「一般人」etc.とは誰か

   ↑  2013/02/21 (木)  カテゴリー: 徒然日記
 勉強会で憲法訴訟をやっているのですが、判例を読んでいると、「一般人の理解において」とか「国民の意思からして」とか「社会通念」などという論理が使われることが意外と多いです。特に意見だと裁判官が本音をぶっちゃけやすいのか、よく使われています。

 でも、この「一般人」etc.というものは、いったい何なのかと考えだすと、本当に出口のない迷宮のような謎さを覚えます。
 例えば、わりと最近の判例である国籍法違憲判決——日本国籍の父とフィリピン国籍の母が結婚しないままに子どもを生み、その後、父が子どもを認知して日本国籍の取得を申請したところ、これが認められなかったため、同人らが国籍法の違憲を主張して争った事件——では、いわゆる「準正」(嫡出子としての身分)が国籍法において申請による国籍取得の要件となっている趣旨は、それが、子どもと日本国籍の父とが日本において共同生活を営み日本と密接な結びつきと持っていることの指標となるためであったと説明した上で、しかし、親子関係のあり方が複雑多様化した現在においては、そのような趣旨は社会通念に照らして合理性を欠いたものになっているということを言っています。
 判例はもっと緻密に論理を積み上げていて、ここに書いたのはあらすじみたいなもんですが。

 親子関係のあり方が多様化しているというのは、要するに、結婚しないで非嫡出子のまま育てる人が多くなったということです。だから、結婚してなくても日本と密接な結びつきを有している子どもがいるだろということ。
 しかしながら、これって一般的なものですかね?私なんかは、そのような人はかなり珍しい部類であって、現在でも、国籍法の趣旨はそこまでおかしくないと考えてしまいます。
 実際、この判例には反対意見がついているのですが、そこでは国民の意識はそれほど変化していないということを言っています(ちょっと確認できないので間違ってたらすいません……)。
 結局、一般的にはこうだと言っても、それで相手を説得するのは実に難しい。これが厳密な統計に基づいているとかであれば別ですが、そうでなければ、単に「共感」を求めているのと同じことですから。「共感」されなければ、それで終わりです。

 こんなことになってしまうのは、「一般人」etc.というものは基本的に実体がないからですね。つまりは、一種のフィックション。だから、証明したいと思っても、なかなかできるものでない。間接民主主義制においては国会の決定が国民の意思として擬制されますが、それと同じことです。

 これがフィックションなんだということを分からないのは、マズい。
 例えば、私は青森出身ですが、青森や秋田出身の人が酒に強いという一般的な傾向があるから、私も飲むのだろうと「推定」して、誰かが私に酒を進めてきたが、私は酒は飲まないからとそれを断った、そのときそいつが「あれ?青森出身なのに酒が飲めないんだ。珍しいね。」と言うなら話の種になるだけだが、「青森出身のくせに酒も飲めないとかあり得ないだろ。」と言ったのなら、かなりヤバい。幼稚すぎて哀れに思う程に。
 また、「日本人なら〜」的な考え方をしていて、それとズレタ人に対して、「お前は日本人じゃないな。」と本気で言ってしまうのも同じこと。
 本当に分からないのだろうか?そこでの「日本人」とはいったい誰なのか。それが「誰でもない」ということは明らかでないのか、と私は思うのです。「青森出身」というのは、ただの「傾向」に過ぎないのです。

 「しかし、お前の、女道楽もこのへんでよすんだね。これ以上は、世間が、ゆるさないからな」
 世間とは、いったい、何の事でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実体があるのでしょう。けれども、何しろ、強く、きびしく、こわいもの、とばかり思ってこれまで生きて来たのですが、しかし、堀木にそう言われて、ふと、
 「世間というのは、君じゃないか」
 という言葉が、舌の先まで出かかって、堀木を怒らせるのがイヤで、ひっこめました。
 (それは世間が、ゆるさない)
 (世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
 (そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
 (世間じゃない。あなたでしょう?)
 (いまに世間から葬られる)
 (世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?) (太宰治『人間失格』)


 あなたが「一般人」etc.と言ったとき、それが意味しているものは、「あなた」か「(根拠のない)妄想」か「(根拠のある)傾向」かのいずれではないかと、私には思われます。少なくともそれはあなた以外の「誰でもない」。

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